導入事例

「O:SLEEP」によって、睡眠と生産性の関係性が可視化できるようになった。

キリン株式会社
事業内容
ビールや清涼飲料などの製造・販売
設立
1907年2月23日
従業員数
1,100名 ※2017年12月31日時点

ビールや清涼飲料などを製造・販売しているキリン株式会社。「O:SLEEP」をご利用頂いた経営企画部や人事部の感想やその効果についてお話を伺いました。

【お話を伺った方】
キリン株式会社

経営企画部 西前さま
人事総務部 高野さま

目的

  • 従業員の健康管理を支援し、生産性を高める
  • 「健康経営」の課題をテクノロジーで解決する
  • 従業員の価値創造をお客様に還元する

課題

  • 睡眠は重要であると認識はしていたが、具体的な施策につなげられていない
  • 社員の健康データは個別で収集していたが、睡眠と生産性を組み合わせたデータはない

効果

  • 組織における問題の可視化
  • 自身やチーム全体の睡眠時間の客観的な把握

 

“厳しくて温かい会社にしよう”

― お二人の普段の職務内容について教えてください。

(西前様)
経営企画部に所属しています。
特に、新規事業の立ち上げや新規事業を立ち上げている社員のサポートですね。
あとは、アクセラレータープログラムでベンチャー企業との協業を主な職務としています。

(高野様)
人事総務部で人事担当をしています。
採用と育成をメインミッションとしていて、健康経営はメインの担当ではありません。

― 部署やチームは、それぞれ何名ぐらいいらっしゃるのですか?

(西前様)
経営企画部には数十人くらいが在籍しています。

(高野様)
人事総務部も100人はいないですけれども、経営企画部ほど少なくはないですね。

― 社内の組織改革を担当されているチームは、人事総務部の中で独立的なチームなのでしょうか?

(高野様)
人事総務部の中で健康経営や働き方改革などの担当も担っています。

― 健康経営のチームは何名いらっしゃいますか?

(高野様)
3人ですね。働き方改革のチームは5,6人ですね。

― 数万人の社員をその方々で見られているわけですね。
それぞれ部署の目標に対して行われていることを伺ってもよろしいですか?

(西前様)
私自身の目標としては、大きく分けると2つあります。

1つ目は、新規事業関連の全般的な仕事をしているので、5〜10年後のキリンを支えるような新規事業をつくること。

もう1つは、新しい事業が継続的に生まれるような組織風土を並行してつくっていくことです。

意識的につくるというよりは取り組みを通して従業員の意識や行動が変わっていくような事業や活動をやっていく。
大きな未来の目標は、この2つです。

― いま現段階の組織はどんな感じで、将来的にこういうふうになったら良いなというイメージはありますか?

(高野様)
“厳しくて温かい会社にしよう”というキーワードを掲げています。
働き方改革や生産性向上みたいな文脈で、しっかりと考える時間を新しくつくり出すことも1つです。
あとは、組織として、チャレンジを積極的に認めて、チャレンジしている人をしっかりと評価をするという組織風土が、“厳しくて温かい”ですね。

ー まさに会社として、新しい組織に変わっていくチャレンジを目下色々とされているんですね。

そういえば、御社が独自開発されている健康アプリがありましたよね。 割と継続率が高いと伺いましたが、そちらについてまず伺ってもよろしいでしょうか。

(高野様)
「KenCoM」ですね。
アプリの中のサービスで歩数の測定のサービスがあり、1ヶ月のコンペティションじゃないんですけど、月間キャンペーン形式で「ある活」というイベントがあり、チームで平均歩数を競うんですよ。

 

“睡眠は健康経営で掲げる4つのテーマに横断的に関わってくる”

― 今まさに健康経営のチームや働き方改革のチームがいらっしゃったり、組織風土を変革していったりされていると思うのですが、「O:SLEEP」がそれらの取り組みに対してどういう観点で役立っているのか、組織の中で睡眠を支援することがどういう観点で役立ちそうなのかを聞いてもよろしいでしょうか。

(西前様)
まず、働く上で、自己管理は非常に重要です。
自分の状態を知った上で、きちんと管理をする。
これはメンタルとフィジカルの両面において必要です。
個人的には、安定してパフォーマンスを発揮して成果を出せる状態を維持することが、ビジネスパーソンとしては大事だと考えています。
ただ、それらを自己努力で頑張りなさいというよりは、テクノロジーも発達しているので、やる気で健康生活を習慣化しよう、とかそういう形ではなく、テクノロジーで解決できるのが良いことだと思いますね。

(高野様)
キリングループとしてCSVコミットメントとして新しく取り組みをしています。
キリングループが中長期的に持続可能な会社として、どういった領域で社会に貢献していくかをいくつかのコミットメントとして打ち出しています。
その中の1つに健康があり、お客様の健康に貢献することはもちろんですが、従業員が積極的に健康づくりを行う環境・機会を作ることも重要だと思います。

健康経営の中でもテーマが4つあります。
それが、生活習慣病、メンタルヘルス、働き方改革とお酒との付き合い方です。この4つに関しては重点テーマとして取り組みます。
睡眠はどれかに特化したテーマではないのですが、すべてに横断して関わってくるような改善に繋がるテーマとして面白いかなと思って、参考にしています。

 

“睡眠は時代のトレンドだけでなく、健康経営に活用できる”

―  キリンアクセラレータープログラム2017で採択された縁もあるかと思いますが、 「O:SLEEP」を使用するに至った社内での経緯をお伺いしてもよろしいですか?

(高野様)
そうですね。もともと睡眠はかなり意識をしていたんですね。
何か施策を打てるのではないかというときにアクセラレーターもあって、まず従業員の今の実態把握と、これからなにをしていくのかのヒントにできるのではないかというところですね。

 

“現状把握だけでなく、組織や個人にフィードバックがあり、改善意欲が生まれる”

― 他の睡眠系サービスの提案を受けているというお話を以前伺ったのですが、それらと「O:SLEEP」を比較して思われた点はございますか?

(高野様)
いくつか提案は頂いていたのですが、O:さんの一番の強みである、現状把握だけではなくその先にどうすれば良いかみたいなフィードバックが個人や組織にもあるところが決め手でしたね。

また、組織だけでなく、個人にも日々“明日はこうしましょう”や“何時までに寝ましょう”と出てきて改善意欲が生まれやすいというのは一つのメリットでした。

― ありがたいコメントですね。
実際に使われた方はコーポレート部門の方を中心として、研究開発の方にも少し使って頂いたのですが、社内の宣伝はどのようにされたのかを伺ってもいいですか?

(西前様)
今回は一部のコーポレート部門を対象に、希望者を募りました。

最初は20人くらいかなと思っていたんですけど、50人くらいは集まりましたね。
睡眠に対する関心の高さや計測の仕方が比較的容易ということをアピールしたからですかね。
もちろん、管理画面でどういったデータを管理者が見えるかといった内容を伝えた上での希望者となります。

― 何人の方に声をかけて50人集まったんですか?

(西前様)
私の所属部署では結構応募があり、7割くらいでした。

― それは多く集まりましたね。
人事を含めると75人くらいでしたね。

(高野様)
人事は全体の30%の人が応募してくれました。

 

“睡眠と生産性の関係性が可視化できるようになった。”

― 実際に導入してみて感じたメリットはありましたか?

(高野様)
1つは組織としてどういうことが起こっているのか、どういう問題があるのかが見えるようになりました。
そこは大きなメリットですね。
そこから何か施策をしたかというとまだそこまではできていないので、今後の課題です。

睡眠といわゆる生産性の関連付けが「O:SLEEP」で可視化されますけど、睡眠状況や生産性が良い部署、悪い部署がどこかという情報は今まで全くありませんでした。

なので、ここは何か取り組みを始めようというターゲットみたいなものは見えましたね。
まったく把握していなかったが、実はこの部署の生産性があまり良くなかったということがわかりました。

― なるほど。

(西前様)
あと、ユーザー視点のメリットでいくと、睡眠の話は日常ではなかなか会話に出てこないんですね。やっぱり、睡眠不足だというのはなんとなく言いにくいし、あえて話題にするほどでもない。

アプリがゲーム感覚で続けられるもので、睡眠のスコアが出るので朝、「昨日、何点だった?」みたいな睡眠の話をするようになりました。
これまで職場にはない会話だったのですが、利用者の睡眠に対する興味や注意が強くなったのは間違いありません。

 

“主観ではなく、データをもとに客観的なフィードバックが有意義であった”

― 先程の話に戻ります。
これまで睡眠と生産性に関連するデータは取っていなかったということで、このデータが分かって良かったということがあれば、それはなんでしたか?
印象に残っている結果があれば教えてください。

(西前様)
私は単純に「睡眠時間」ですね。
睡眠を何時間取っているのかということは、もともと分からなかったものが初めて客観的に把握できました。
また、これまで他者の睡眠時間にそれほど興味はなかったのですが、あえてデータで見ることで、弊社については、事前に想定していた睡眠時間とは差がある、という意外な気づきがありました。

また、自分たちの中で勝手にこれくらい寝ていれば十分だよねと思っていたのが、生産性という観点ではその睡眠時間だと短いというフィードバックをもらっていたので、まずはしっかり睡眠時間を確保するというところが全体的に見えたところが有意義でした。

 

“アプリのUIが「どうしたら睡眠が良くなるか」を自然に学習させられるので、徐々に睡眠に詳しくなっていく感覚がありました”

(高野様)
睡眠時間をたくさんとれば睡眠スコアが上がるわけではないところが、良いところでしたね。
いっぱい寝たらスコアが良くなるならわかりやすいんですけど、スコアをあげるためにどうやったら良い睡眠ができるんだろうと試行錯誤をしながら個人的にやっていました。

今日はいいんだろうなと思ったら、あれ?みたいなことがあったりして、どうしたら睡眠が良くなるか自然に学習しながら取り組めたことですね。
徐々に睡眠に詳しくなっていく感覚がありました。

(西前様)
他に良いところは、デザインがシンプルなところですね。
健康管理系の色々測るアプリって、あれやこれやとフィードバックがあるので、見る気にならないことが多いのですが、「O:SLEEP」はデザインがシンプルで見やすい。朝起きて見るのにはちょうどいいくらいの情報の伝え方でしたね。

― 利用されてみて何か要望等ありましたか。

(西前様)
スコアをもっとライトに楽しめるといいなと思いました。
自分が組織の中でどれくらいの位置なのかはアプリで確認できるのですが、そこにもっとゲーム性みたいな仕掛けがあると、より頑張ろうとなっていいなと思いましたね。
もう少しそこの仕掛けがあると更に良くなったと思います。

(高野様)
私も同意見で、ゲーム性をより持たせることで、もっと組織の中で会話が生まれるかなと思います。
チーム対抗にするのもそうですし、スコアがよければポイントがもらえるとかですね。
「あなた、昨日何点だったね」みたいなコミュニケーションが生まれるような仕掛けがあるともっと楽しんでやってくれる人は増えるかなと思いますし、あとはユーザビリティのところでやっぱり押し忘れみたいなことがあったりするので、そこが自動で計測出来るようになったりすると、より良いですね。

 

“「カフェインは止めたほうがいいよ」と人に勧めたり、スマホをベッドの中でいじらなくなりました”

― アプリを使用してから睡眠の観点で変化したことはありますか?

当時を振り返ったり、今もこれが続いていたりとか、逆に悪くなったことがもしあればお聞かせください。

(西前様)
使う前は、睡眠時間が短くて、寝るのも日をまたいでいたんですよね。
それが確実に12時前には寝るようになりました。
翌朝の自分のスコアを見ながら、だんだんスコアを良くするためにということで、12時前には寝るということを意識していました。
あとは、アプリ上で提示されるコーチングを見ていて、カフェインを摂る時間は意識するようになりました。
以前は、寝る前に必ずコーヒーをがぶ飲みしてたので。
周りの人にも言うようになりました。

(高野様)
私は確実に睡眠に対する意識が変わりました。
単純に寝ればいいというか、疲れが取れればいいかなと思っていたんですけど、そうじゃないということや休日の寝だめはダメだみたいなことも意識しました。
あとは、スマホをベッドの中でいじらなくなりましたね。

 

“睡眠に関心がある人はものすごく多い”

― 今後の「O:SLEEP」の改善すべき点について伺わせてください。

(西前様)
睡眠に関心がある人が社内でも、社会的にも非常に多い。
生産性云々じゃなくて、自分の睡眠の本当の状態を知りたい人。
仕掛けが難しいと思うんですけど、そういう人にまずは気軽に利用してもらって啓発していく、といった流れをうまく作れると良いですね。

そういう事例がもっとあれば、他の企業でも、社内でももっと積極的に展開できると思います。
どうしても生産性といった主旨だと、それ自体は非常に大事なんですが、どうしても範囲が狭くなってしまいます。
もう少しライトな感じで、睡眠に興味がある人が利用できると良いですね。
利用しているうちに、気が付いたら睡眠が色々な点から重要であるという状況をつくれると良いのかなと思いますね。

(高野様)
私は少し意見が異なりますが、睡眠不足は、メンタルヘルス含め、万病の元ということを以前O:さまから教えていただきました。

睡眠データがウェアラブルや自動計測ができるようになれば、もっと積極的にデータがとれるようになり、良いのかなと思います。

― アプリを使っている人ではなく、管理者としてこういうことができたらいいなというご感想はありましたでしょうか。

(西前様)
現場の利用者である従業員の日常の労務管理を行っているとユーザーとそのマネージャーがどうかというのが、最終的に企業にとっては大事なので、マネージャーからの視点が重要かと思います。
日々健やかな職場環境をつくろうと思うと、ミドルリーダーの役割は大きくて、ツールなどを活用することでもっと良い形でマネジメントができればと思うことがあります。

― なるほど。
中間のリーダーの人がこういうことができたらいいなみたいなことはありますか?

(西前様)
メンバーが元気に活き活きと仕事ができているかどうか、ということを日々気にかけていますので、それを客観的にサポートしてくれる様なものがあるとありがたいです。
ただし、個人の睡眠データの扱いには配慮が必要なので、リーダーが日々確認するのは難しいところがあります。
そこに対応した仕掛けや運用があるといいですね。

 

O:SLEEPの今後にも期待しています。

※ページ上の各種情報は2018年12月時点のものです

 


 

サービスに関するお問合せ、資料請求については、下記フォームへ必要事項をご記入の上お進みください。必要事項を入力頂くと資料がご覧いただけます。